映画「ノルウェイの森」を六本木TOHO CINEMASで見て来ました。
これ、原作が非常に売れた、かつ多くの人に読まれている作品なので賛否両論になるだろう、むしろ否の意見が多いのではないかっていう感じがしたのですが、見てみないと仕方ないなと言う感じで、前知識0で臨みました。
どうだったか
ネタバレも含む感想なので、これから見るっていう方はスルーしてください。
全体的な感想としては結構良かったでした。
もうちょっと描いて欲しい部分が端折られていると言ったところは難点ではあったけど("突撃隊"と呼ばれる学校の寮の同質の生真面目な人のところとか)、映画としてまとめるにはあの程度のボリュームじゃないときつかろう、と言ったところでとりあえず納得しました。
総じてキャストの顔ぶれも良かったのですが、霧島れいか演じるレイコ役がきれいすぎて、ちょっと残念でした。もうちょっとぶさいく?な人を使っていたら生々しかったのだけども、霧島さんはちょっと美人過ぎるのではなかろうか、と。
あと、最後の最後でレイコとセックスするシーンっていうのが原作にあったのですが、その前の菊地凛子演じる直子の死を弔うような唄のシーンっていうのがあるはずなのに、一切なかったのは残念だった。
しかし、こうやってひとつひとつ「これが案外端折られて」っていう視点で残念がってるとキリがなく、それ以外で見ていくと、映画としては程よくまとまった作品なのではないかな、と言った感想に当たりました。
ジャーマン・プログレの範疇で結構有名なバンド、CANの曲が劇中に結構使われていたそうなのだけども、CAN,CD持ってるくせに全然聴いてないので気付きませんで、エンドロールで気付きました。音楽担当はRadioheadのジョニー・グリーンウッドだそうで、そこら辺も「きっと良く作用してるんだろうな」と期待していた点もあったのですが、ここは実に良かった。あまりRadiohead大好きな人ほど詳しくないのだけども、期待していた部分に敵った音楽と言った印象だった。
初音映莉子がハツミ役として出演しているのだが、彼女、一時期は松茸のお吸い物のCMで有名になってCMにもバリバリ出てたけども、最近あまり見かけない(と言うか、自分がテレビをつけなくなった)ので久しぶりに見たけども、透明感のある美しい大人の女性になっていて驚いた。ほんときれいだなーと思った。
主人公がバイトしているレコード店の店主役として細野晴臣が出演しているのだけども、しれっとレコード店壁に飾ってあるレコードに彼がやっていたバンド、エイプリルフールのレコードが混ざってたのを発見して噴出しそうになった(笑)。
まだそういうさりげないジョークっぽいものが待ってるのではないか、と期待してみていたら、直子が入っている療養所の警備員役で高橋幸宏が出演していて、これも噴出しそうになった。しかもほんの数秒しか映ってないし(笑)。ついでに坂本龍一まで出演してないかなと期待したのだが、さすがにそこまでYMOをちりばめては居なかった。
ツイッターでこの映画について触れている人が居たので、エイプリルフールの件を言ってみたら気付いてなかったようだった。ほんとしれっと出てくるので、その辺好きな人は注意してみて見ると面白いかもしれません。
原作、セックスの描写が多くて、読んでいてもやもやしたんですけど、映画でももちろんほどほどにあるのですが、そういう部分よりも、あのどこにもたどり着けないような空気感の描写を主軸にした印象で、そこは良かった。
あ、そうだ、原作の冒頭では、ビートルズの「ノルウェイの森」を耳にして過去を思い出して、と言うところから始まるものだったけども、この映画ではその辺全部カットされてた。まぁ、なくても平気だったけど。
この映画見る場合、やっぱり原作との比較はしないで、映画そのものがどうだったかで評価した方が、原作の熱いファンには良いのかなといったところでした。
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