劇場版神聖かまってちゃん 『ロックンロールは鳴り止まないっ!』の先行チャリティ上映が渋谷シネクイントであったので行って来ました。
両国国技館公演中止 そして映画先行上映
2011年1月1日に神聖かまってちゃん(wikipedia)が両国国技館でライブをやる、と言う発表があった。
突然の大規模公演の発表に「どうなるのか?!」と楽しいにしていたわけですが、3月の大地震により中止が先日発表されました。
本来であれば両国国技館公演をやっていたこの日、翌日の4月2日に映画が公開っていう流れだったのだけども、4月1日に急遽先行チャリティ上映を行うとの告知があったので行って来ました。
売り上げを全額赤十字に寄付する、とのこと。料金も1000円と貧乏には嬉しい金額。公開日のように舞台挨拶は付かないものの、誰よりも早く(と言うか関係者向けの試写会はあったそうですが)見れるあたりもおいしいポイントでした。
入江監督挨拶
配給を担ったSPOTTED PRODUCTIONSの直井さんの冒頭挨拶に続いて、監督の入江さんが登場、軽く挨拶をして映画スタートでした。
何を話したか詳細忘れましたが、直井さん「この上映後に初の試みでもある、ニコニコ動画でのチャリティ先行配信もあるとのことですが・・・」 入江さん「こんなこと言っちゃあれですが、劇場に来て見る方が正しいです。(きっぱり) 劇場で公開する前提で作ってますからね。」のくだりは笑った(笑)。
しかしながら、あえてかまってちゃんが活動において多用している、そして本編でも出てくる「ニコニコ動画」でその作品を見ることの楽しみも、劇場にはない楽しみではないか、と言った旨も仰っていた。確かに。
でも映画監督として、やはり映画館で見て欲しいっていう意向、それも仰るとおり。
出演者の舞台挨拶はなかったけど、制作したご本人の話が聴けてお得だった。
映画の感想
ここから下はネタバレを含む感想になりますので、これから楽しまれる方はスルーしてください。
映画の構成としては、かまってちゃんの大舞台のライブ(SHIBUYA-AX公演)に向けて、それを心待ちにする人、その周りで起こる出来事を描いた作品であって、かまってちゃん自体はあまり本編に出てきませんでした。
- かまってちゃんのオンライン配信を楽しみにしている幼稚園児とストリッパー&バイトで生計を立てるシングルマザー(森下くるみ演じる)の話
- 将棋が強い高校生(二階堂ふみ)と かまってちゃんのライブを誘ったその彼氏、そして同級生の女の子の話
- かまってちゃんマネージャー ツルギと事務所上司の話
あらすじ的なものはこの程度にしておいて、感想を少々。
映画の広告/ポスターにも使用されているように、一応主役は二階堂ふみ(wikipedia)ちゃん。
しかし、上記の通り、3つのストーリーが同時進行なので所謂主役っていうほど目立った感じではなかったものの、ライブに誘われるが将棋の大きな試合と日が被って行けない、断る→ばったり彼氏と同級生友人が一緒に居るのを見かける→彼氏蹴る→泣きながら自転車猛漕ぎ あたりの"やるせなさ"、"怒り"、"悔しさ"の爆発と、BGMに流れるかまってちゃんの曲あたりの流れはこの映画中でもっとも印象に残りました。ふみちゃんの演技力、力強さ、色の濃さが突き抜けてて爽快だった。(あと、かわいい)
同級生友人をライブに誘うっていう話が結局そのまま進むあたりの、男性のだらしなさと言うか、臨機応変さの描写も好きだったのだけども「これで予習しとけばライブ楽しめるよ」と渡したCDの中身が ふみちゃん演じる美知子からかまってちゃんCDが返却される際に将棋のゲームソフトに差し替えられていた件は見事で笑った。
あと、美知子パートでは、最後に将棋で対戦する相手が(入江監督作品)サイタマノラッパーシリーズでMC IKKU演じる駒木根隆介(wikipedia)が演じていてウケた(笑)。
園児&ストリッパーの件は、森下くるみ演じる かおりが掃除のバイトしているシーン、ロケ地が(本映画に協力している)SPACE SHOWERの入ってるビル(六本木)あたりで、近場で働いていて景色を毎日のように見ているところだったので、一人で納得してしまった。
あまりこのパートは先述パートに比べて面白く感じなかったのだけども、幼稚園にもノートPCを持って行って「死にたい」と言う歌詞を他の園児に流行らせてしまい、問題化した後に母によりノートPC破棄→iPadを買い与える→幼稚園に持っていく あたりの流れは爽快だった。
それにしても幼稚園児を集結させて「死にたいな」と言う歌詞が出てくる曲「芋虫さん」を演奏させるっていうあたりは面白かった。
ツルギパートはもう・・・。劇場中からも笑い声が聞こえていたけども、個人的に今の職に彼が就く前にライブハウスのブッキングでお世話になっていたこともあって、その人がスクリーンに映って演技しているっていうだけで相当面白かった。(と言うか杉作J太郎肖像Tシャツ着て出演するのやめてくださいwww)
よく自身で、自虐的に髪型だったり、見た目であったりを言ったりしていることありますが、個人的に劔さんの見た目、良い意味で脱力感や優しさがあって、威圧感とかなくて好きなんですけどね。でも、その劔さんがまじめに「ツルギ」を演じる様。自分役をやるっていうあたりに色んな矛盾があるんだろうけど、それを出来るだけ生々しく、かつスクリーンの中の1人の役としてやるっていう難題に挑む姿、これはなんていうか・・・面白かった(笑)。
上司役に堀部圭亮(wikipedia)が当たっていたのだが、彼の「実在しなそうな強引な上司」像の演じ方も良かった。
ふみちゃんパート、森下パートが色んな問題に直面する硬さ だとしたら、ツルギ&上司パートは滑稽さもあって 軟らかさ にもなってたのではないだろうか。
しかしながら、上司に「今後長く活動するには、しっかりブレイクさせなければならない」と言うことで押し付けられる(社会現象になっている"ひきこもり"に対する)"脱ひきこもり応援ソング"と言うキャラクターを提案されて、乗り気にならないツルギ→メンバーを説得してみようとするものの、うまく切り出せない→結局断る、怒られる の件はよかった。胸にぐっと来るものがあった。
途中、かまってちゃんメンバー(の子以外)と企画会議的なシーンがあり、メンバーも台詞を持つシーンがあったのだが、みさこの演技が白々しくてちょっと微妙でしたが、ちばぎんの演技はいつもどおりのナチュラルさで、台詞を言わされてる感も感じなくて良かった、大変に。monoくんは普段通り、存在感がスパイスになっているのでそれはそれで良かったですね。(ツルギ「売れたくない?」mono「なんすか急に。どっきりスか?」あたりは笑った)
話が少し戻って、劔さんが日ごろから言っている「かまってちゃんをでかい舞台でやらせてあげたい」っていう意思がそのまま映画本編にも使われていて、日ごろ抱く大きな夢がスクリーン通して物語とシンクロする様、そして実際に行われた(自分も見に行った)SHIBUYA-AX公演へと物語が繋がって終わる流れは、現実とフィクションの距離感が0に近くなって、勝手に感動を覚えた。
実際SHIBUYA-AX公演を見てない人がこの映画を見た時に、また違う感想が出てくるのかもしれないけども、個人的にはそういう感想に至った。
このblogでも度々以前から登場している神聖かまってちゃん、今は2年前見てた時と状況が違うことも含めて、これだけ大きな話になったのだな、と言うだけで既にフィクションかのような感触を覚えるのですが、改めて現実からインスパイヤされた物語が映画化、思うことが多くてうまく言葉にできませんが、ドキュメントに近い映画作品として、あまり映画に長けてるわけではないのでえらそうには言えないのですが、面白い作品になったのではないかな、と思いました。
知り合いの意見で「映画にするにはまだ早かったのでは?」と言う意見もあったけど、それもわからないでもないですが、個人的には楽しめました。
また機会あったら見に行ってみようかな。
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