ノイズミュージシャン、DJとして活動しているGuilty Connectorこと、Nakagawaくんと大学で知り合いました。音楽でないところで知り合って音楽の話ができる仲間が出来たっていうのはとても貴重なことで、当時は物凄く嬉しかったのを覚えてます。
そんな彼と話していて、我が家にごろごろとある機材を見て「ギター使ってないから買わないか?」と振られたのがこのギター、Fender JapanのJazzmasterでした。
彼が音楽を始めた頃に購入したものだそうですが、その当時はギターを弾くと言うよりもSHIBAKI ELECTRONICSによるノイズ演奏が主だった彼なので、譲ってもらうことにしました。
が、当時からFender、Squierのマイナー機種は好きではあったのですが、正直な話Jazzmaster、Jaguarなどの、Stratocasterの上位機種として60年代に登場したモデルには興味がありませんでした。
80年代のニューウェーブ、オルタナティグロック以降のアーティストがこれらの楽器を愛用していたことで、ある種「その楽器を使ってる音楽シーン」みたいのが形成されていたことが嫌だったからです。
(未だにJaguarは好きでなかったりするのはそういう成り立ちすぎてる世界ゆえの値段の高騰みたいのも嫌だからです)
いざ受け取ってみると正直、ぼろぼろで愛着が全然沸きませんでした。
当時密接だった人に「なんでお金ないのにこんなギターを譲り受けるのか」と批判までされたり、当時所有していたFender USA Broncoへの愛着もあって使わずに放置しておりました。
ぼろぼろだっていう話は本人から聞いてましたが、案外美品が好きだった自分に気付き、あぁーあとも思ったものでした。(塗装の剥がれが自然に、と言うより落とした、ぶつけたの類で変な剥がれ方しているのがなんとも嫌でした)
そこでこうしたのです。
「徹底的にカスタマイズしてやろう」と。
「徹底的にカスタマイズしてやろう」と。
まず施したことはステッカーを貼ることでした(笑)。
傷隠しにステッカーを貼ることはよくあるのですが、ライブツアーをたくさん行ってあらゆるバンドのステッカーが貼ってあるようなパンクのギタリストのギターのようなかっこいい状態には貼れませんでした。
そもそもバンドステッカーがなかったしで。買ってきたBlytheのシール、お菓子のおまけでついてたスヌーピーのシール、infoseekのシール(多分これはレア)、当時一緒にバンドやってた仲間からもらったAppleコンピューターのロゴシールなどをもらってぺたぺた貼っていきました。
ポイントとしては、ねじあなをつぶしていない点です。これは工房の方にも誉められました(笑)。
シール貼る方はあらかじめねじの部分はくりぬいておくことをオススメします。
その次に施したのはブリッジの交換です。
Jazzmaster、Jaguarのブリッジに使われている駒はネジを横に倒したような形をしており、これによってピッキングが強いと弦が隣の溝にずれたり、チョーキングすることによってずれるなどの不具合があると言うのが有名でした。(そもそもJazzmasterに至ってはJazzで使用されることを前提に作られたStratocasterの上位機種として発表されたものだそうで、チョーキングを使用しないJazzのプレイにおいては問題がなかったのかもしれませんね。でもサーフミュージックなどで人気が出てしまったJazzmasterなのでその後の使用方法に見合ってない使用だったのかもしれません)
この弦落ち、弦ズレ対策として有名なのが「Mustangのブリッジに交換する」「溝にマニキュアなどの塗料を塗って溝を埋める」の2種でした。
自分が譲り受けた時はマニキュアが塗られてましたが、ブリッジ溝部分にのみ赤い塗料が塗られているのがとても嫌でした。あと、駒のネジ具合で微調整が可能なのは承知していたのですが、正直そのブリッジで奏でられる丸い音色も好きではありませんでした。
そこで採った施策がGibson Les Paulなどに使われているTune-O-matic(頭文字を取ってTOMと略します)ブリッジに交換することでした。
これをやってしまうとTOM固定用ネジ穴を設置せねばならなくなり、それまで入っていたJazzmaster用ブリッジ穴を埋めてそれを作成する必要が出てくる為、ある意味後戻りの出来ない施術が必要となります。
が、そもそも愛着がなかったのと、サスティンの短さ、音色の丸さをどうにかしたかった為に後悔ゼロで楽器屋に持っていってみました。
現在は世田谷区上馬から移転したフーチーズさんに持ち込み、TOMブリッジもそこで購入、工費含めて10000円くらいでやってもらいました。
この改造によって弦落ちゼロ、高さの調整が容易になり、ブリッジでの弦との接点が狭くなったことで音色が明るく、サスティンも伸び、個人的に素晴らしい音になったと満足しております。
今思うとJazzmaster特有の音色を殺したかなとは思っているのですが、そもそも別にそういう音色が欲しくてJazzmasterを手に入れたわけではなかったので、これで良かったのでした。
後々知ったことなのですが、グランジムーブメントの中核を築いたバンドのうちの1つ、Dinosaur Jr.(ダイナソージュニア)の中心人物、J Mascis(Jマスキス/マスシス)の使用するJazzmasterはこの改造がされているようです。
彼のシグネイチャーモデルがMade in Japanながら海外限定で販売されているようですが、そのモデルにもTOMは搭載れてます。(参考:From the Electric Guitars booth: The J Mascis Signature Jazzmaster® Guitar / Fender.com Jazzmaster J Mascis Signature Model)
この改造については高校時代、Nirvana好きの友人が「カートはそういう改造をしている」と言う情報を言っていた気がしていたのをずっと覚えていたのがきっかけだったりもしまして、今見てみるとこの改造はSonic Youthやら、My Bloody Valentineやら、シューゲイザー、オルタナ系のアーティストの間じゃ結構おなじみの改造みたいですね。
そんなこんなで音色的には満足したのですが、フレットに傷がついていたり、ペグがばかになっちゃってチューニングが一部できない、とまだまだ手がかかったものの、地味にお金をかけて今に至ります。
とにかく、普通じゃない一本にしようとしたことがより良いサウンドへの第一歩になったような気がするので、このギターはどんどん改造していってみようと考えてます。(売ってもらった価格よりも高くなる予定です。)
そのうちフジゲン製の初期Fender JapanのJazzmasterも入手してみたいこのごろです。(結構評価が高いせいか、見かけないですね)
ちなみにこのギターはCrafted in Japanの刻印があるフジゲン以降のギターとなってます。
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