2009/02/18

のあのわ「ゆめの在りか」レビュー




のあのわmyspaceのデビュー作「ゆめの在りか」(VICL-63203)買いました。

先日ライブでのあのわを見たばかりなので、思い切りにわかファンですが、先日のライブはとても良かった。

メジャーデビューを目前に控えた万全な状態と言える良いライブで、以前からのファンと思われる人たちが見守る目も実に幸せそうで、顔には笑顔を浮かべていた。

さて、そんなチェロ弾きの歌姫yukko(ってそこらじゅうに宣伝文句で書いてあるので引用してみました)がフロントを務めるのあのわの音源、はたしてどんなだったか。


えーっと、ざっくり言うと、とてもポップなのだけども、デビュー曲にしてはちょっと壮大過ぎるのではないかしら?っていう印象を受けました。

ある音楽家の知り合いが言っていたのですが、本来のバンドの持ち味と、売り物としてのCDを流通させる側、制作サイドの意向がうまいこと合ってないと実際の売り上げや人気には繋がりにくいのが音楽業界だ、と。

そういう点で見ると、チェロ弾きながら歌う女の子がフロントで、チェロが入ってる曲をフラグシップ曲として選出するのは妥当だと思うんですが、案の定「プログレ」とまでは行かないまでも、構成が複雑と言うか、ポップス作品にしては懲りすぎているのではないかっていうくらい作りこまれた「ゆめの在りか」がそれに当たっているっていう・・・。

サビのメロディが突き抜けるような彼女の歌唱力が生きたポップさ溢れるものなのは良いんですが、やっぱり懲りすぎてると思います。



昔、ハートバザールっていうバンド聴いた時も同じようなこと思いました。

ハートバザールは東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)から2001年頃にデビューしたバンドで、当時椎名林檎のサポートを終えて自身のバンドでデビューを果たした鈴木玲史(通称akkin、アッキン)さんがリーダーのバンドで、Vocalの石井皐月(その後バンド解散後に石井五月と改名、五月名義でソロ活動の末に元センチメンタル・バスの鍵盤を担当していた鈴木秋則さんと結婚されて現在は活動してないっぽい)の書き出す言葉の世界観が生きたバンドだったんですけど、デビュー曲が「北風と太陽」って曲だったんです。

すごく作りこまれていて、彼女らの持っている捻れた感覚、ポップさ、せつなさっていうのが表現されていて良かったんですけど、1回目聴いて「なんだこのBメロの展開は?」と、よくわかりませんでした。

のあのわのこの曲ももしかしたら「なんだこの展開?」ってなるんじゃないかしら、って気がします。

他の曲も通して聞くと「あぁ、こういうとにかく、キラキラした曲をやってるバンドなのね」ってなると思うんだけど、案の定デビュー曲であり、そしてその1曲でどういうバンドか判断される可能性が高い。
あんまりくどいとライト層に届かないし、逆に作りこみすぎてもマニアに「やりすぎじゃない?」って思われかねない。

ちょいとマニア寄りの自分からしてみればやはり後者な感じでした。


が、彼女ら、ライブでのパフォーマンス、5人で奏でている壮大さっていうものの完成度は非常に高く、CDに納めるにはやっぱりちょっと微妙なのでは?っていう印象です。

なんか、褒めてるのか褒めてないのかよくわからない文章ですが(笑)、珍しい編成(っていうかこういう編成のグループはそう被らないやね)で、とても良いバンドですのでお勧めです!

今聴いてますが「little heart」のちょっとウィスパー気味の歌声が結構良いです。
「ゆめの在りか」はありったけの歌唱力で結構歌い上げてしまってるんですが、ウィスパーな声色が結構良いですね。
ファルセット気味に歌うのが苦手な人には全然向かない歌唱ですけど、そういうのを特に気にして嫌う人もそう居ないと思うので、万人に受けるタイプのサウンドではないとは思いますが、良いですよ。
(やっぱりすごく凝ってる、とにかく凝ってる!)

以上です。

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