2009/10/27

DRIVE TO 2010 "革命の煙突" @ 新宿LOFT

新宿LOFTにて開催されているシリーズ「DRIVE TO 2010」。

前回はケラリーノ・サンドロヴィッチpresentsな日に遊びに行きましたが、またしても行く機会が舞い込んで来ました。

過去の話ですが、2007年8月に突然段ボールの蔦木俊二さん主催の高円寺円盤で開催された「放射線ノイズ流しpresents Borderless Night」なるものがあるんですけど、現在自分がやっているバンド"Emotional Ticon"はこの日をきっかけに組まれたものでして、そんな縁で蔦木さんがやってるカセット/CD-R自主レーベル「日本カセットテープレコーヂング」にて1枚目の音源が取り扱われてます。

そんなこんなでお世話になってる突段経由で見に行く機会をGetしたのでした。


題して「革命の煙突」と言う企画。

この日の出演は以下。

メインステージ
頭脳警察
カーネーションmyspace
突然段ボールmyspace
BAR STAGE <"葡萄畑"presenta"BANDA PLANETARIO">
和久井光司森山公一(from オセロケッツ
シャーマンズ
オワリカラmyspace
宙也+幸也(宙也wikipedia


頭脳警察の初期の曲名によくある「革命」のフレーズと、カーネーションの代表曲「夜の煙突」からこの企画の題になってるみたいですね。

だったら「突然革命の煙突」とか、「変な革命の煙突」とか、そういう題にすりゃ良いのになぁ。
「変な革命」ってどんな革命だよ!って、とても気になる度UPするだろうし。
頭脳警察、カーネーションに配慮した感じで、突然段ボールがちょっとかわいそうです。


そんなわけで冒頭からレポート。

突段がメイン側最初でした。
つい先日、90年頃に発売された「抑止音力」がリマスターされて再発売した関係もあって、昔の曲もやってました。

が!
裏のバー側でオワリカラがライブをやっていて、そっちも見たりしながらうろうろしていたので見事に名曲「正体」など聞き逃しました。死ぬに死ねない!超悔しいです!
オワリカラと突段を被せた、時間決めた人を恨むしかないんでしょうか・・・。残念。

いやー、しかし。
突然段ボール、すごく久しぶりに見ました。

昨年P-VINE Recordsからリリースされた「D」のレコ発ライブ以来だとしたら1年9ヶ月ぶりですかね。

その間、おにんこ!myspaceの3人が抜け(掛け持ち状態だった)、新ダンサーが加入し、ベースの与板兄さんは変わらないけども、ドラムが交代になったり、メンバーが結構代わってたんですね。
代わってること知ってたけど、いまいち機会がなくて見にいけてなかったのでした。(このblogにばたばたしていた日々が詰まってますが・・・)

ある意味で心の師、心のふるさと(うちの母が深谷出身で、蔦木さんと同じなのです)のような突然段ボールに久しぶりに会えて良かったです。

以前のドラマーはひらちん(fromおにんこ)だったわけですけど、新ドラマーは男性。
ちょっと変わったスタイルながら、ひらちんのどかどかした感じの音より繊細でパワフルで、突段サウンドが引き締まった印象を受けました。

あと、リードギターの松浦さんのギターも非常にパンキッシュで、アクションも普段より大きい印象で(やはり結構気合入っていたとのこと)かっこよかったです!
リードギター?の位置だと、以前は湯浅さん(音楽評論家として有名な方です)がやってた頃もありましたが、やっぱり松浦さんのギター好きですね。かっこいいです。

与板兄さんのベースも安定度を増し、サウンドが単純に良いJazz Bassに持ち替えてのプレイでしっかりとした低音を奏でてました。(ちなみに以前はMustang Bassを愛用してました)

最後の方、ホワイトマンで締め・・・っていう感じでしたが、もっとやれー!と野次ったら、あっさりと「夢の成る丘」をアンコールでやってくれました(笑)。
ある意味でサクラだったのですが、名曲が聴けてなによりでした。


終わった後、俊二さんに聞いたところだと、今回参加した女性ダンサーのうちの2人は違うバンドをやってる子たちだそうで、今回のみ特別参加ダンサーズだったとのこと。
フロントのVocalも1曲務めた女性はいつもいるらしい。
なんか、演劇的な表現力を持った人ですね。それまでのおにんこたちのユルユルのダンスとは違うカラーなので、見ていてちょっと戸惑いましたが、突段は進化し続けているんだなーと痛感しました。

12月12日土曜日にに「抑止音力」の再発記念、抑止音力再現ライブを渋谷O-NESTでやるらしいので、よく遊びに行っているDJイベント「ありとも」のDJ STREETがベースを弾いているバンド、CLISMSのライブと被ってるっぽいですが(笑)、行けたら行きたいと考えております。


オワリカラも一応見たのでざっくり書いておきますか。

この日、メインステージのライブが始まる前、サエキけんぞうさんによるトークがありました。
で、オワリカラが紹介されて、彼らはメインステージに姿だけ現しました。(演奏はバー側なのでしてない)
どういうバンドか、と言うことが紹介されました。
サエキさんの話によると、このたび自ら出させてくれと言う名乗りがあり、若いのに精力的だなぁと関心しただかなんだか。
確かに月に4本以上はやってるから週1以上でライブやってる。

オワリカラ自体、とても親しいかと言ったら別に対バンしたことあるわけじゃないし、すごく見に行ってるバンドではないので実はよく知らないんですけど(笑)、Vocalのヒョウリくんが現在新宿motionにて働いていたり、ドラムスのケンタくんは先日結婚パーティーがあった山岸さんとバンドをやっていたり、山岸さんとバンドやる以前のバンド時代から面識があったりで、勝手に親近感を感じているのでした。

そんな彼ら、頭脳警察待ち、カーネーション待ち、突然段ボール待ちのお客さんにオワリカラの魅力を訴えるチャンスだと思ったのですが、あまり喋りませんでした(笑)。

しかしながら短い言葉で伝えるのは難しいですからね。ライブ見てくれと訴えて彼らはバー側へ。

バー側、オワリカラの関係と思われる若い客層が多かったですけど、きっと裏でやってた突然段ボールには興味がないけど、オワリカラは見てみようかなっていう人もきっと居たはず。
彼らもライブ本数を重ねてるだけあって、非常に毎回良いライブをしますね。

今回気付いたことですが、ヒョウリくんの歌が非常にポップでまっすぐでクリーンで、そのほかの演奏、曲が非常にやりすぎなくらいエモーショナルで、だけども所謂「エモ」的な音の暑苦しさがなくて、もっとセッションでたたき上げたようなモコモコ、ズイズイと言うガレージ感?があって良いですね!

最初見た時はどうにもこうにもエモーショナルな面ばかりがどっかり来たのと、途中から見れたっていう関係で印象が薄かったのですが、ドラムスのケンタくんがやっていたSilver Gal、そしてその後のthe mally maggooの頃のドラムから一貫している、力強くもバンド全体で歌い上げるような、そんな起伏に富んだサウンドがかっこよかった。

どちらかと言うと最新の音です!っていうよりは、古き良きロックの良さ、そしてセッションからじゃないと出ないガレージ感、粗さが活きているバンドながら、色々な音楽を聴いて吸収したからこそ出るひねくれた感覚、工夫も多々見られるサウンドなので、年齢的にも幅広く支持されそうな、そんな彼らのサウンドはきっとこれからも進化し続けるんでしょうね。

かっこよかったです!


お次、カーネーション。

メインステージ側、お客さんは程よくいっぱい。
先日LOFTでプレゼンターを務めたケラ氏のやっていたナゴムレコードから最初出した縁もあってか、ゲストでケラさん来てました。
最後?にやった「夜の煙突」をみんなで合唱!

正直な話、カーネーションはあんま知らないんです。
「夜の煙突」は名曲と名高い曲なので、それ目当てで「ナゴム ポップスコレクション」は以前発売された時に買って好んで聴いてました。
その以前、「夜の煙突」が入ってるライブ盤か何かを安く見つけて中古で購入していたのですが、入門でライブ盤を聴くっていうのが好きじゃないのでお蔵入りさせてまして。

そんなこんなでそんなに思い入れがなかったのだけども、やはり「夜の煙突」は聴きたい!と、それを楽しみに見てました。
良かったです。うん、聴けてよかった。ほんと良い曲だ。


で。
カーネーションて現在2人編成になったのですね。知らなかったです。
で。ドラムがどうも見覚えがある。でも自信がない、その人なのか。

帰宅して調べてわかったことですけど、やっぱり見たことあるドラマーでした。
その名も中原由貴さん

彼女は元々サイクルズと言うバンドでドラマーをしていた人で、サイクルズの予約なんかした際は中原さんからメールが帰ってきて、サイクルズ時代に挨拶したことがあった。
サイクルズはソニーからデビューしていたのだけどもさっぱり知名度上がらず、ライブもお客さんが悲惨なまでに少なくて、プロでもこんなで平気なのかな・・・とか、見ながら勝手に不安に思ってました。
でも、思い切りネガティブな歌詞の歌をポップな音に乗せてまっすぐ歌い上げる森川さんのキャラクターと、メンバー全員ぱっとしない雰囲気がとても好きで何回か見に行ってました。(7年くらい前かな?)

サイクルズは気が付いたら公式サイトがあいまいな感じで移設だか閉鎖して、気が付いたらサイクルズは解散。
森川さんがソロで現在下北沢mona recordsなんかでライブやっているみたい・・・ってところまでは知ってました。

一昨年だか昨年、青山陽一鈴木茂堂島孝平の3人による「歌うギタリスト」がテーマのライブがあったのですが、鈴木茂バンドのバックは中原さんが叩いてまして、その時久しぶりに「中原さんだ!」なんて一人で感動していたのですが、こんなところでもばったり。

ベテランミュージシャンのバックのドラムの仕事が多いんですかね。良いですね。
中原さんの、派手ではないけど安定感とパワーのある音がまた聴ける日を楽しみにしてます。


途中、宙也&幸也もちょろっと見たのですが、基本的にカバーしかやらないっていう前提があったみたいなのでチラ見くらいでした。
井上陽水の「帰れない二人」とかやってた。

あと覚えてるのが和久井さん&森山さん。
オセロケッツのフロントマンの森山さん。
オセロケッツのこと、大好きではなかったので追いかけてはいなかったのだけども、何回かCDを買おうと手にしたことがあったくらいに結構身近な存在でした。
彼らがデビューした97年頃、高校生だった自分はtvkばかり見てました。
tvkはスポンサーがメジャー局に比べると弱いので、空いた時間に音楽のプロモーション映像流してることが結構多く、インディー寄りの音楽に強い局なのですが、その極みとも言える「ミュートマJAPAN」にてオセロケッツと出会いました。

何枚目かのシングル「アンサーソン」が結構印象的で、1枚目(0stシングルってテロップに出てた)の「ヘアチェッカー」に比べてまじめで良いバラードだなと思ってたのですが、それもやってくれました!!

これが嬉しくて、森山さんに声かけたかったのだけども居なくて、でも帰り際階段ですれ違ったので握手してもらいました。いやー、なんか、大ファンじゃなかったけど好きだったシンガーだから単純に嬉しい(笑)。
和久井さんとデュオで演奏していたのですが、和久井さんが加藤和彦さんの死去に関して「シンガプーラ」をカバーしてました。
これもちょっとじわりときましたね・・・。

和久井さんはどういう方か存じなかったのですが、とてもよい声の人でした。
っつうかこのデュオとても良かった。


頭脳警察をやってる頃、裏のバーステージでやっていたのがBanda Planetario

一切存じなかったのですが、調べたところによると、70年代に活動していたバンド「葡萄畑」にて演奏していた青木さんと言う方が21世紀になってから活動し始めたバンドだそうで。
聴いたところではケルトミュージックを通過したヴァイオリン(フィドル)の音色に導かれつつ、カントリーミュージック、ジプシージャズなども取り入れたアコースティック・インストゥルメンタルのバンドみたいですね。

頭脳警察の裏でやるには結構厳しい音の繊細かつ小さいバンドだったので、覗いたときはかなりロックの音が浸食してましたが、バンドの音としてはとても好みの音でした。

もし機会があったらこれを聴きに行きたいなと思える音でした。


で、この日のトリ、頭脳警察です。

先述のBanda Planetarioもちろっと見たりしたので全部は見てませんが、頭脳警察、さすがです。
さすがって言葉で片付けるのも失礼ですが、かっこいい。

彼らの結成の原点には(wikipediaで読んだのですが)「ダサくてもいいからオリジナリティに満ち、自信をもって人前で演奏できる」と言う前提があるみたいで、その意匠は解散から再結成に至る上でやはりあるように感じられました。
ちょっと「まっすぐ過ぎてださいかな」と思える瞬間もあるのですが、何がロックであるかと言う姿勢、そして理解から来る音が本物でした。

ロックって様式に沿ったものもロックだし、既存の概念をぶち壊すこととか、ルール無視で打ち破ることもロックかもしれない。
だけども、そういうのはどうだって良い。ロックっていうのはそういうものだ、と言った意識を感じました。

ださいと思うか、ださいと思わないかっていうのは個人の好みの問題で、受け取った時に好きだったか、好きでないかが大きい。
だから、頭脳警察の音楽が好きでも、曲によっては好きでない場合もある。

自分について言えば、頭脳警察は1stが改めて、やっとリリースされた時に「発禁、自粛してたやつだ」とばかりに飛びついて買ったものの、冒頭のマイクテストが気持ち悪くて止めたことがありました。(中間試験、実地試験、あーあーっていうヤツ)
その後の音もアコースティックに近いエレキのカッティングに、ボンゴの打ち鳴らしだけと言うシンプルな音に、求めていた過激さが感じられずであまり好きでなかったのでした。

が、2枚目の「頭脳警察2」を後輩の家で見つけて借り、帰宅して聴いた時にびっくりしました。
1枚目と同じ曲を、1枚目が発禁になった都合から録音し直して再収録されているのですが、再録音のロックの音がかっこよかった。
アコースティックみたいな音だから悪かったわけではないのだけども、70年代の頭にこんなロックをやっていた日本のバンドが居るっていうのがやっぱり衝撃でした。

その2枚くらいしか聴いてないのでわからない曲も多かったのですが、ライブもそのかっこよさは遜色なしでした。

MCが印象的でした。(録音の興しではないので忠実ではありません)

PANTA「『俺たちに明日はない』っていうアルバムを出しました。学生からインタビューを受ける機会があったんだけど、そいつに質問を受けた。『これはポジティブな意味ですか?ネガティブな意味ですか?』と。だから逆に質問してやった、君はどう思う?って。今居るお客さんはどっちだと思う?」

 ポジティブの意見多数。

PANTA「だろ!そうだよな!明日がないから今を楽しむんだ!」

これは本当に心に響いた。
COUNTDOWN JAPAN 07-08の時に岡林信康が言ってたMCとほぼ同じ意味に聴こえた。
岡林信康は民謡テイストを取り入れた音楽をやったりするのだけども、静かになる部分を設けていて、それについて彼はギターをかきむしりながら「今何の為に沈んでいるのか。これは浮き上がるためだ!」と言ってました。

ちょっと趣旨は違うのだけども、50~60代のシンガーが言うそのメッセージ。
「楽しみ」に対する前置きだったり、「それが楽しみだ」という示しの為の助詞だったり。
わかってる人にしか言えない言葉っていうのがあって、それを叩き付けるミュージシャンはやはりこの世代しかいないと思う。

古い世代になってしまうのかもしれないけど、やはり「今」しか見えなくても、無理してでも先輩の音を聴きに行く価値がきっとここにある、とひとつ見出せた気がしました。

あんまり年寄り扱いするのは失礼なのだけども、でも言葉の重みと、吐き出されるフレーズが違う。
この日、頭脳警察が見れて良かった、と思いました。


でも、ちょっとだけ言うと、ギターが藤井さん(from THE GROOVERS)かなと思ってたのですが、そうではなかったのは少し残念でした。


そんな日でした。

帰りはちょろっとだけゴールデン街寄りました。
ab und zuです。

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