ピンク映画の祭典「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE」
ポレポレ東中野のレイトショーの時間を使って数日にわたり"ピンク映画"を上映し続けるイベントがこれです。
ピンク映画と言うと「いかにも」と言えるどろっとしたタイトルがついていて、手書きのエロいリアルな絵と共に新宿、上野、浅草のちょっと入ったところの小さいピンク映画の映画館でやっている印象があって、どうも普通の映画に比べて入りづらいと言った印象があったのですが、その「いかにも」のタイトルを伏せ(伏せたのか知らないけど)、ミニシアターで上映するっていう試みはとても良いなーって思いました。
この企画のちらし(フリーペーパー)によると、かつての賑わいがなく年々作品数が減ってきているとのこと。ただの「エロい映画」ではない「映画作品」としての1ジャンルの特集としてこういう形でピックアップするのも、興味の範囲が広がるようで実に嬉しいですね。SPOTTEDさんに感謝です。
2作品目「うたかたの日々」
- 成人館公開題
- 壷姫ソープ ぬる肌で裏責め
- データ
- 2009年 カラー 60分 35mm
- 監督
- 加藤義一
- 脚本
- 城定秀夫
- 撮影
- 創優和
- 製作
- 加藤映像工房
- 提供
- オーピー映画
- 出演
- 持田茜、藍山みなみ、合沢萌、津田篤、THUNDER杉山、岡田智宏
- 備考
- 2009年度ピンク大賞ベスト10・第1位、女優賞(藍山みなみ)、男優賞(なかみつせいじ)
タカミがよく遊びに行く(最近ではDJもさせていただいている)イベント、「ありがとう!おともだち」のDJや、色々なVシネやピンク映画に出演し、主に女優として活動しているしじみちゃん(a.k.a 持田茜・wikipedia)が出演している映画がこれです。
これが目当てで見に行ったのもあるんですけども、いざ"ピンク映画"って見に行ったことがなかったので、良い機会だと言うことで行ってきました。2作品目に上映されましたが、こっちを先に書きます。
ピンク映画館で上映されていた時のタイトルは「壷姫ソープ ぬる肌で裏責め」。うーん、いやらしい・・・。
R18 LOVE CINEMA SHOWCASEに載っている直井卓俊さん(SPOTTED PRODUCTIONS)の紹介文は以下。
売れないエロ漫画家の潤二は、同棲相手にも愛想を尽かされ、ソープランドで、再会した高校時代の元カノ・知美と再会してその家に転がり込む。そして少しずつ惹かれ合ってゆく2人だったが…。「偶然」から蘇らんとする恋と、取り返しのつかない現実のカットバック。やがて登場人物たちの背中をそっと押すように着地する物語と、ヒロインを演じた持田茜の天真爛漫な佇まいとシンプルな台詞が胸を打つ快作!
設定は設定ですけど、先入観なしに見てみた感想としては、なかなか映像の映し方がキレイで、特に海で性行為をするシーンがあったのですが、いやらしさをあまり感じない美しさに満ち溢れていて軽く感動しました。
それと、例えばアダルトビデオ全般にはあるような雰囲気がこっちにはなく、改めて「映画作品なのだ」と感じられたことは大きな収穫でした。
あと、しじみちゃんのかわいらしさももちろん良かったのですが、前半、最後にだけ出てくる"同棲相手"役の藍山みなみちゃんの演技が実に素晴らしかった。彼女、自身で舞台の企画を立てて元AV女優、AV女優仲間を集めて「映像作品の中では表現しきれない魅力」を表現するイベント(見に行ってないんですが、多分演劇的なもの)を行ったりと表現活動に積極的なようでうっすら気にしていたのですが、とても良かった。舞台挨拶でいらしてたのですが、小柄でちょこんとした日本人形みたいなかわいらしい方でした!
もう1作品(下述)にも出演していた"ピンク映画俳優"とも言える面々の個性も豊かで、かつキャラクター性も面白く、エンターテインメント作品としても笑える要素があって楽しかったでした。特になかみつせいじさんが面白かった。この作品では雑誌の担当者として主人公の持ってきた原稿を見るシーンがあったのですが、おもむろに飲料をこぼす演技のところが面白かったです。
あと何気に良かったのが、主人公の男性、津田篤さんが結構かっこいいところ。"ピンク映画界の松山ケンイチ"とでも言えそうなかんじ。アダルトビデオだと設定が「高校生」くらいなのに、どうみても3~40代のおっさんです、みたいなことがあるんだけど、その辺も配役具合が絶妙だなと、この作品に関しては思いました。
印象的でほわっとするシーンがいくらかあるので、もし機会があったらぜひ見てみて欲しい作品だなと思いましたとさ。
1作品目「たぶん」
- 成人館公開題
- いとこ白書 うずく淫乱熱
- データ
- 2009年 カラー 60分 35mm
- 監督
- 竹洞哲也
- 脚本
- 小松公典、山口大輔
- 撮影
- 創優和
- 製作
- ブルーフォレストフィルム
- 提供
- オーピー映画
- 出演
- 赤西涼、かすみ果穂、倖田李梨、吉岡睦雄、なかみつせいじ
- 備考
- 2009年度ピンク大賞ベスト10・第8位、新人女優賞(かすみ果穂)、男優賞(なかみつせいじ)
いとこ同士。女の子ふたり。大人未満の恋とセックス――そんな語り尽くされた物語が語り直されるたびに、竹洞組の映画はますます洗練を深めていく。さりげない会話に織り込まれた、自分をごまかす大人たちの「たぶん」に揺れるヒロインの心。ピュアな彼女の前向きな姿に、心地よく胸を打たれる会心作だ。富士山麓ロケ風景も絶品の、これぞゼロ年代→ 10年代のプログラム・ピクチャーなう!(島田慎一) っていう作品です。
こっちはとにかくロケ地の景色が良すぎる!でもエロいところはぐっとエロくも撮っていて、見ていてちょっともやっとしました(笑)。
しかし、非成人向け映画館タイトル「たぶん」の、この言葉でくくられる最後の展開なんかは結構さわやかな印象すら残りました。
人気女優"かすみ果穂"が舞台挨拶ってこともあってかわからないけど、結構席がいっぱいになってましたが、同じく壇上で挨拶している隣に立っていた俳優さんが「(かすみさんが)酒臭くて、まじめなこと言おうと思ったけど全部吹っ飛びました」って言ってるのが面白かった(笑)。
こっちの映画でもなかみつさんの演技が面白くてたくさん笑った! 舞台が田舎なので、田舎のおやじを演じていたんだけども、その芸風が北の国からっぽいっていう(笑)。
東京生まれ、東京育ちなので地方の方の性に対する考え方とかあまり想像しえないのですが(あまり変わらないかもしれないけど)十代の女の子の性への興味の具合とかって、この映画で描かれているような感じなのかもしれないですね。いざ、なかなかね、女性向けティーン誌でもめくらないと性体験に関するシーンが見えてこないもんですけど。(←これは昔、人から見せてもらってびっくりしたことがありました。)
個人的には知り合い贔屓ではないですけど、「うたかたの日々」の方が各役者の演技も含めてよかったなーって思いましたが、こっちはこっちで演技力の面ではそんなに満足してないですけど、色々とピンク映画ならではなのかな?と言った味わいもあって面白かったです。
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