2010/04/29

ロマンポルシェ。「盗んだバイクで天城越え」レコ発記念ライブ @ 新宿LOFT

ロマンポルシェ。wikipediaの新作、「盗んだバイクで天城越え」レコ発記念ライブがあったので行って来ました。

場所は新宿LOFTでした。




出演

今回このイベントに行こうと思った最大の理由なんですけど、北欧の風に乗ってやってきたアイドルユニット"バニラビーンズ"と、80年代のどろっとした日本特有のパンクバンドの伝説的存在、奇形児を同時に見れるっていう変態ブッキングっぷりが無視できない点、これでした。後にも先にもこんなふり幅のあるブッキングが出来るのはロマンポルシェ。だけ!

バニビも奇形児も実はそんなに詳しく知らないし(CD1枚も持ってないし、実は聴いたこともほぼない。名前はよく聴くんですけどね)、ロマンポルシェ。も見るの5~6年ぶりと久しぶりだったんですが、見ない理由はなかろう!とチケットも前売り買えたので行って来ました。




マーシー☆ポルシェ

田代まさしwikipediaの着ボイスがリリースから好成績を残したらCDデビュー、というような企画があったらしく、それがきっかけで組まれることになったらしい「マーシーポルシェ」。

彼がMCでも言っていたが、とにかく田代を出させないと言う場所が多いらしく「イベントとか出れないんだから、貴重なんだよ!」みたいな話があった。十分に服役したのだから良いじゃんって素人からしたら思うんだけど、やっぱり元犯罪者のレッテルってずっと残るんですかね。

彼が全盛だった、例えば志村けんの番組に出演していた頃って、別に志村けんの番組を熱心に見ていたわけでもないので、ファンだったわけではないにせよ、彼の徹底した小「物を用いた駄洒落」には何回もテレビの前で笑ったことがあった。2ちゃんねるでは「ネ申」と言われたりして根強い人気もある彼。興味本位ではあるけど、でも、彼は彼で唯一の存在だって思える部分もあったのでじっくりと見ました。

マーシー☆ポルシェは1枚きりの企画、2曲収録で、薬物にちなんでアシッドハウスで仕立てた曲なんかあったりと皮肉もいっぱいだけど、そこに田代まさしの一発ギャグがちりばめられた内容になってるみたいで、その2曲を披露していた。

大半はトークで、喋りの面でもユニークで面白い掟ポルシェさんの犯罪に関係した絡みづらいボケに、マーシーがガチで突っ込むみたいな内容。タブーを笑いに、話題にしていくことしかできないのだろうかという面で見たら、なんだか悲しいけども、でも田代まさしっていう唯一の、ユニークなキャラクターがどんなネタだろうとくすまないんだなっていうことを思いながら聞いてたら涙が出てきた。

個人的に一番面白かったのが「あぁ・・・・ヤクが切れてきた・・・」と言って取り出したのが「ヤクルト」っていう展開。もうベタ過ぎて腹抱えて笑いました!

テレビじゃ絶対放送できないような危ない話が多いけど、みんなに愛されてるなーって感じるステージでした。




バニラビーンズ

それにしてもマーシー☆ポルシェ、バニビ、ロマンポルシェ。の3組ってバンドじゃないから機材少なくて、転換も早そうだなーって思ってたら、やっぱり早かった(笑)。

バニビ、新宿LOFTにさわやかに降臨。清々しい&かわいいで、良い!

どうしても彼女らが出てきた頃の背景を考えると「(2007年頃、売れ始めた)Perfumeと同路線のガールポップ」のうちの1人に思えて、すぐ消えるのかなとか思ってたけど、独自の立ち位置で愛され続けて今日に至るあたりは良いですね。

個人的に「ニコラ」が非常に良かった。北欧っていうとネオアコ、ギターポップの産地みたいな印象が日本だと強い・・・と思ってるんですけど、そのギターポップ的な爽やかさ、スタイリッシュさみたいなのと、エレポップのスマートさみたいのをいいとこ取りしたようなおいしさいっぱい!っていう印象がすごく良かった。

若手アイドルと言うには20歳越えてるし、振り付けがあるかと言ったらポージングがある程度で、所謂歌って踊る、笑顔を振りまくっていう感じのものでもないし、これがどこで受けるのかと言われると結構謎だったりもしますが、逆を言えば彼女たちの居場所はある意味「どこでも混ざれる」型にはまってなさ、これではないかなと思いました。

本人たちがコンポーザーでない限り、総合プロデューサーが終わり!って言ったら終わってしまうのかもしれないバニビだけども、独特の立ち位置を守り続けて「カテゴライズしづらいけど確固たるパフォーマンスができる」路線みたいのの開拓者的位置、続けて欲しい次第です。お金に余裕できたらCD買う!ニコラは絶対ゲットする!




ロマンポルシェ。

この日の企画者であり、レコ発の主であるロマンポルシェ。の登場。

レコ発なのにトリじゃないと言うwwwwwww

これには驚いたのはあるのですが、伝説の80's パンクバンドの奇形児を呼んだことに対する敬意がビンビンに出てて、なんて礼儀正しい&奇形児を本当に見たいんだなっていう感覚が伝わってきて、こっちもしっかり見ねば、と思ったのでした。

ロマンポルシェ。を見たのは8年くらい前、渋谷クワトロの戸川純バンド(Keyboard:ホッピー神山 Bass:ナスノミツル Guitar:デニス・ガン Drums:吉田達也)との2マン以来だろうか。

あの頃、ロマンポルシェ。の知名度がぐんぐん伸びていた印象で、お客さんも一杯だった。友人から借りた「暴力大将」を聴いて、このスカスカ感が良い!と思いつつも、自身のNew Wave研究が進んでなかったのに、そのエキスを多分に吸ったロマンポルシェ。に酔っていてはいけないのだ!と当時自分に言い聞かせて、あまり聴かないようにしていたけども、闘魂注入タイムでのタバスコがば呑み直後にシャウトすると言う謎の困難に胸を打たれたことは結構最近のことのように覚えてたのですが、この日も変わらずに闘魂注入タイムをやっていた(笑)。

当時の作品に比べて、新作は楽曲提供もたくさんしてもらったとのことだったが、全体的にNew Wave、Techno pop、ロマンポルシェ。のカラーをよくわかった人たちによる作品に恵まれた、かつバラエティにも富んだ作品となった様子だった最新作「盗んだバイクで天城越え」からの曲がやはり多いようだったが、ロマンポルシェ。の作品の中でも名前が立ってる(?)曲も演奏されていた模様だった。

中でもやっぱり「珍・ポタージュ」の"珍ポタージュ"役を務めた魚肉ソーセージを剥きながらのパフォーマンスが頭にこびりついている。それ以降、魚肉ソーセージを見るたびに、誰にも理解されなくても「珍・ポタージュだ」と頭の中でつぶやいているのでした。

途中、アルバムのリードトラックである「ハイスクールララバイ」(のカバー)で共演を果たしたバニラビーンズをステージに迎えておっさん2人、きらきらアイドル2人の4人編成でパフォーマンスをしたりもしていた。バニビのきのこヘアーっ子が「優光さん」と言っていたのが印象的だった。(「ロマンさん」と呼ぶ人が多そうな印象だったので・・・)

事業仕分けが話題になっている頃だったので、説教コーナーで「地獄の仕分け人、蓮舫です!」と言って、仕分けに絡んだテキトーな話が繰り出されたのはほんと面白かった。

どや街ロックフェスティバル、ドヤソニ主催のロマンポルシェ、楽しいライブでした。




奇形児

80年台から90年台初頭まで活動し、2000年代に復活した80年台の伝説と言えるパンクバンド、奇形児。

徳間ジャパンから出ているJapan Recordsものを一時期あさって聴いていた頃から80年代の日本のインディーはずっと好きなんですけど、THE STALIN以降のパンクバンドは、どうにも暗い雰囲気の物が多くて、正直な話、あまり聴き進めてこなかった。

もちろんかっこいいと思ったのだけども、それよりもポップさが前面に出たMirros、突然段ボール、INUあたりの方が好きだった。P-MODELが好きだったのでドロっとしたのも好きだったのだけども、テクノポップ、New Waveっていう範疇で好きだったので、奇形児にはたどり着いてなかった。

伝聞で聞いた"伝説"よりも、自分でかっこいいと思うかどうか、そしてそれが見たいかの方がよっぽど重要だと思ってたのだけども、やはり抵抗があって躊躇してた。(CD、入手できる状態で今日流通しているものの、安くはない価格だった。)

ステージを見ての感想。Bassにツージーさん(QP CRAZY、ツージーズなどでBassを担う方)だった。ツージーさん、QP CRAZYのステージで見ていたし、以前某映画の高円寺円盤での上映後の打ち上げで同席していたので「おっ!」と思って改めて目を見張った。4弦にオクターブ上の弦と思われる細い弦が貼られた分厚いうねるベースラインに、エフェクターでぎらぎらした、これまた地を這い、うねるようなギターフレーズに、ひりひりと切り裂くようなボーカルが乗る。

80'sパンクってスピード感があって、重くてけだるい印象が自分の中であったのだけども、スピード感があるわけではない、スロウ~ミディアムのテンポでゆっくりと進む音に自分が慣れてないなと思ったのでした。

やはり"当時"の音を聴いてある程度慣れておく必要があったな、と自分は思いました。

日ごろ「ポップミュージックが好きだ」と言うような自分にはすぐに入ってくる音楽ではなかったのです。

後日、myspaceにアップロードされていた昔のと思われる、アナログカセットを再生しているかのような丸くて温かみのあるこもり感がある、それで居て独特の圧迫感のある音源を耳にして、そっちは結構慣れてなくても心地よく聴けるなーという印象だった。

色々聴いているようだけど、いやいや、全然聴けてないな・・・と思いつつ、意外にライブ全体として長丁場、かつ引きずる疲れで体力的にきつくなってきていたので、じっと聴いて、終わってからすーっと帰りました。

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