Minami Produce verse.2
『世界の終わり』を囲む短編
- ALL writte and directe
- 南慎介(TEAM JAPAN SPEC.)
- CAST
- 大塚友里衣
- 霧島ロック(ここかしこの風)
- 佐野功(twitter)
- 白石直也(Live Naturally Actively)
- だてあずみ。(TRAPPER)
- 冬月ちき
- 大野由加里
- 根本沙織(TEAM JAPAN SPEC.)
- Stage maneger
- 早坂富雄
- Lighting
- 光田卓郎(光工房)
- Sound
- 齋藤貴博(stage office Co., Ltd.)
- Direction assistant
- 榊原顕
- Produce
- Officeglobe Co., Ltd.
どういう劇だったか
著名な芥川龍之介作品の有名な説などを引用(サンプリング)して劇を構築し、あるメッセージを含ませて見ごたえある劇に、と言ったところでしょうか。
・・・うーん、薄っぺらい解説だ(笑)。
観劇はぼちぼちする方ではあるのですが、案の定芥川作品をほとんど読んだことがない点とか、個々の演技力とか表情を見てしまったりするので、実は内容については理解しきれてないところがありました。
Aコース、Bコースと劇が2タイプ用意されており、導入部「#1 世界の終わり」(芥川龍之介『羅生門』をサンプリング)、エンディング「#6 彼女のランチ」(芥川龍之介『竜』をサンプリング)は共通しており、中間の2つの話はそれぞれ違うものでした。
なので2回、A公演、B公演を見ても楽しめると言うものになっており、リピーター割引なんていうものも用意されてました。(1回目は2200円、2回目は半券提示で1700円で観覧できました)
こういうリピートさせる1粒で2度以上おいしい作りは見事ですね。練りこまれてますね。
- Aコース
- 「#2 赤い糸」(芥川龍之介『蜜柑』をサンプリング)
- 「#3 ありがとうのナイフ」(芥川龍之介『魔術』をサンプリング)
- Bコース
- 「#4 ボーイ・ミーツ・ガール」(芥川龍之介『鼻』をサンプリング)
- 「#5 幸せな結末」(芥川龍之介『地獄変』をサンプリング)
これ、一応両方行きましたが、原作を通して読んだことある作品がひとつもないっていう危機的な自分です(笑)。
(いやー太宰治は好きでたくさん読んでますが、芥川は小学校の頃とか読まされたような記憶があるけど、さっぱり読まないで無理やり読書感想文とか書いていたような輩だったもので・・・)
で、全体として『藪の中』をサンプリングしている、とパンフレットに記載がありました。
(1回目の水曜日の公演ではその旨パンフレットに記載なかったのですが、金曜日の公演パンフレットに追記されてました)
『藪の中』を知らないと推理のしようもないですね・・・。
でもこれもパンフレットにも記載がありましたが、一つ一つの短編としても楽しめるようにはなってるし、参考になった作品を知っていればテーマを見つけ出すも良しと言った多角的な楽しみ方もできるようになってたみたいですね。恐るべし、南さん・・・。
個人的な全体の感想
女性陣はみなかわいいし、男性陣も味のあるおっさん(失礼)から、草食系男子、男らしいがっつりナイスメン(?)と三者三様。いやー、女性かわいいずくしってほんと良いですね。
あと、ちょっと惜しかったのが、初回A公演を見た時の場所の使い方。
普通、どんなショーでも前っていう位置は決まっていて、そこに見せる前提で練習をするとは思うんですけど、会場は狭いビルの1フロアを使ったもので、客席とステージに当たるスペースの差はほぼありませんでした。
その割りに「前面」がその他環境と同じように設定されているとなるとやはり見る側の位置による見える、見えないが大きく出ちゃうんじゃないかな、と思うのです。と言うか1回目横側しか空いてなくて座ったのですが、背中が見えるシーンが多くて、しかも狭い関係もあって立ち位置による別の人の表情が見えない、なんていう障害もあったのでした。
これは早く来て良い席座るべきだった、っていう言葉に尽きる点でもあるのですが、ほどよく「その場に居合わせた」ような感覚を覚える仕切り、段差のないステージを使っている以上はそれを生かした演出があったら良かったかなーと思いました。
とは言っても客に背中を見せても完全に背中だけにならない空間なので、普通の部屋みたいに使うシーンもあったりはしましたけどね。少なくとも1回目のA公演の左手は表情がとても見づらい席でしたね。
個人的な話ごとの感想
#1 世界の終わり(芥川龍之介『羅生門』をサンプリング』)
あらすじとしては、世界がなんらかの天変地異で破滅寸前で、政治家の男性が生き延びるために地下シェルターへ逃げることを選んだが、破滅寸前で狂った暴徒たちの進入で政治家の見えていた世界が終わる・・ようだが・・・? と言った感じだったかしら。
まず冒頭から「世界の終末」と言った始まりながら、シェルターの中での擬似的な平和での生活のシーンで始まっていたので、最初は「???」と思ってましたが、話が進むにつれて「そういうことだったのか」とわかってきたのでした。
政治家が暴徒にやられる!と言うところで何かが変わって、その後のシーンでどうやら天使による天使職を任されたみたいなシーンになるあたりがパラレルワールド的で、最初はこれも「???」となってました。
そこから天使が人々に何をしていくのか、そこから話がAコース、Bコースと分かれていくところへ繋がっていくような導入部でした。
こういうパラレルワールド的な話の劇を見たのは初めてでしたが、なんだか不思議で面白かったです。
上級天使?の役を務めた大塚さんも背が高くてとても美人な方なので浮世離れ感にもっていかれました。(鼻がすっとしてるので手塚治虫漫画の女性みたいな雰囲気でしたね)
#2 赤い糸(芥川龍之介『蜜柑』をサンプリング』)
この話が一番わからなかった!
『蜜柑』の話はこの劇を教えてくれた(出演者)だての友人Mくんからざっくり聴いたのですが、何かを人に施そうとするのだけども、その意図は他の人からは見えてなくて、施した時にやっと見えた真実に他の人がなんらかの心境の感化があった、みたいな話だと認識してるんですけども(あってるかしら?)、だいたいモチーフはそんな感じで作られてました。
とあるレストランで友人が働いていて、OLをしているこの話の主人公が昼休みを使って食事をしに来たのだが、落ち着かない不審なおじさんと相席になってしまって不審ぷりにいらつくのだが、不審なおじさんは主人公の友人に片思いをしていて、ついにデートのお誘いをした・・・っていう内容だった。
デートのお誘いの後に、この話の主人公が赤い糸の存在について言うシーンがあったんだけど、ここが唐突でよくわからなかった・・・。
もう1度見たい、もしくは台本読みたいです(笑)。
#3 ありがとうのナイフ(芥川龍之介『魔術』をサンプリング』)
これは相当楽しかった!
あらすじとしては、旧友と再会して過去の奇怪な事故について問い詰め、実は陰謀があってその事故で同級生が死んだのではないか、と言うのを誘導尋問しながら暴いていく、その背後では部屋全体に不思議な力が働いていて「○○してくれてありがとう」と言うことで、その「ありがとう」に反する行動を取れない、行動を取ろうとすると頭痛が走るために逃れられない、と言った世にも奇妙な話でした。(タモッサン!)
嘘を封じる「本当のことを言ってくれて"ありがとう"」によって、話したくない話を嘘で塗ることはできなくなったり、「愛(事故で死んだ同級生)について語ってくれて"ありがとう"」と言うことで、過去の同級生の事故死に蓋をすることができなくなり、腹を割って話さなくてはならない状況にもっていかれ、疑惑をかけられる片方の男が追い詰められて・・・みたいな体でしたが、実は!と言ったどんでん返しがあるものでした。
いやー、うまく思い起こせないので書き起こさないですけど(起こせない)、こういうミステリアスな話、良いですね。面白かった。
サンプリング元と言われる『魔術』には全然沿ってないとのことですが、ざっくりモチーフだけは使ったみたいですね。
結局、事故死した"愛"っていう人が言いたかったこととか、その辺がうまく読み取れなくてこんがらがってしまったので、これも台本を読みたい(笑)。
ちなみにこの劇を見た以降、職場の友人Mくんと結構「ありがとうのナイフ」ごっこしてます(笑)。
「今すぐこの作業に付き合ってくれて、ありがとう!」とか言ったり。
#4 ボーイ・ミーツ・ガール (芥川龍之介『魔術』をサンプリング』)
THE草食系男子が「自分が女だったら」と願いすぎたら本当に女の子になっちゃったことで色々混乱が生じて、結局男子のままでよかったんだ!と自覚するみたいな話でした。
こういう性別入れ替わる話が好きです(笑)。らんま1/2とか大好きだし(笑)。
しかしほんとなんでもありの不思議ワールド全開で、Aにあたる2、3の話にはない魅力をこっちは放ってました。
#5 幸せな結末 (芥川龍之介『地獄変』をサンプリング』)
評価されているが性格の悪い女性画家が居て、その画家を支える唯一の心のよりどころの夫は筋力がどんどん衰える病気によってどんどん動けなくなるが、渦中で絵画作品の盗作疑惑がかけられたり。その夫婦のやりとりが中心となった劇だったのかな。
これは筋力衰える病気の人役の白石直也さんの演技が非常に光ってた。
この後の話でも活躍しているけども、優しいけど病気に侵されている男性の演技っぷりが良かったですね。
#6 彼女のランチ (芥川龍之介『竜』をサンプリング』)
ルームシェアする女子二人、片方はハキハキとしている活発な子だが、片方はドリーミーな女子で、そんな相反する二人の生活に転機が訪れる。ドリーミー女子に彼氏が出来たらしいのだが、その彼がどうもよくわからない、実態がつかめない・・・と言うところから活発女子が探りを入れたら、これまた怪しい、都合の良い妄想に生きて、それを具体化する不思議な力を発動するランチを出すレストランにぶち当たり、不思議な力ランチを競争のように食らいながら活発女子がドリーミー女子の悪いところをずばずばっと言って行き、くだらない仮想世界が晴れる・・・と言った内容だったかしら。
うわー、全然伝わらない。
劇のレビューって難しいですね。
思い出して書いても全然、1/3も伝わらない(!)。
このシーンでは友人でもある"だて"が頑張りました。
彼女、日ごろからずばっと結構言ってくるタイプだと自身は思ってるのですが(とは言ってもそんなに一緒に遊んできたっていう仲と言うよりは、やはりMくんの友人であるっていう質が強いですけどね)そんな彼女の持ち味が生きた役だったのではないかなと思います。
そしてドリーミー女子を演じた冬月ちきちゃん。
この子がまたかわいいんだけども、表情のふり幅がもう少し大げさでも良かったかなと個人的に思ったのでした。
でもA見てから2日後のB見たら結構ふり幅が出てて、やっぱり劇って複数日見ると違いが少し出たりして面白いなって思いました。
ドリーミー女子が妄想した世界が現実化して捻じれていくっていう話も面白く、気持ち悪い妙な話でした。
結局どういうことが言いたかったのか、2回見ても掴みきれてない自分でした。
勉強しなおさないとなぁ・・・。
だらだらと長くなりましたが、非常に見甲斐のある、かつ退屈を感じさせないテンポの良さと、時事的なお笑いとかの引用が特になく、コメディ要素が0なわけでもないけども面白いシーンもあるし、考え込める部分も多数あって非常に深みがあって良かったですね。
自身の学習不足が目立つへたくそなレビューですが、南さんの劇、面白いです!
観劇経験の浅い自分でも退屈しなかったので、また何か機会あったら紹介できればと思います。
あー、にしても読み返してもこの記事、よくわからないんだろうな・・・。
ま、とりあえず良かったですよ!以上!
3 件のコメント:
どうもだてあずみ。です。
感想有難うございましたー!
じっくり読ませていただきました。
読んでてなんだか懐かしい気持ちに
なりましたー。もう一ヶ月も経つんですね。
舞台、お楽しみいただけたようでよかったです!
心なしかTRAPPERの時より
感想が濃いような…(笑
次回は9月ですので、お楽しみにです!
感想ありがとうございました。
南です。
いろいろとお話したいことはあるので・・・
ぜひ一度飲みましょうw
>だて
コメントありがとう!
見た人がなんらかの形であったことを記事で残す、っていうことは
とても重要だと思ったので書いてみたんだけど、
改めてうすっぺらい記事で躊躇したけど、
まぁ・・・なんらかのきっかけで辿って今に至れば良いやと思って
載せてみた次第です。
TRAPPERの時より初めて見る要素が多かったのと
がっつりレポする気満々で見てたのもあったからね!
TRAPPERはTRAPPERで面白いですよ!
(そういや最近ぱたりとやらないね・・・w)
次回も都合つけて見に行きたいと思います!
>南さん
コメントどうもです!主催自らコメントなんて恐れ多いです!
そして・・・色々とお話したいことて・・なんか怖い!(笑)
機会あったら一杯やりましょう!先輩!(笑)
コメントを投稿