2008/09/28

プリングミン @ 下北沢SHELTER

plingmin live at shelter
下北沢SHELTERにてプリングミンと、同じ事務所のPaperBagLunch box(通称PBL)との2マンライブがあったので行って来ました。




出演は前述の2組、プリングミン、PaperBagLunchbox、そしてフロントアクトとしてナカノヨウスケ&有馬和樹(おとぎ話)の出演でした。




まず最初がナカノヨウスケ&有馬和樹(おとぎ話)でした。

ナカノさんっていうのは前述PBLのVocal & Guitarを務めるフロントマンで、最近弾き語りでソロなんてのもやられているとのことが彼のソロWebに書いてありました。


有馬さんっていうのはおとぎ話のフロントマンだそうです。顔は知ってるけど歌声は何気に初めてでした。

Openの時間から少し経って入ったのですが、もう入り口のところで歌声が聞こえてきました。
当初聞いていた時間よりもちょっと巻きで始まった様子でした。

良くも悪くも力が抜けた、ちょっとだらっとした雰囲気と歌声は力まずに聴ける印象で、そういうのが好きな人には向いてそうな感じでした。この声がバンドでどう生きているのかはわからないのでいつか機会があったら追って聴いてみたい次第です。

最初は有馬さんのソロでしたが途中で中野さんを向かいいれてフォークデュオでやり始めました。


中野さんの声ってのも今回が初めてで、あれがPBLの人かーなんて見ていたんですが、歌いだしてみて思ったことは有馬さんとはタイプが全然違うってことでした。
二人で歌った場合の息はなかなか合っていて、タイプが違いながらぶつかる箇所が特にないので何か面白いことが出来る二人なのだろう、と言った印象を受けました。

お互いの曲を歌ったり、代々木公園だか井の頭公園だか忘れたけど、公園で練習して出来たばかりの曲を演奏してちょっととちったりしたりと和気藹々とやってました。


およそ30分弱やったでしょうか。なかなか盛りだくさんな前座でした。






お次がプリングミンでした。

前回見に行った時はまだ夏だったのですが、その次のプリングミンのライブは小山絵里奈の月見ル君想フの日と被っていたので行けませんでした。(その日Pop Chocolatも対バンだったので見に行きたかったんですけどねぇ・・・)

そんなこんなのおよそ1ヶ月以上ぶりのライブでプリングミンが愛するPBLとの2マンライブってことで気合入っている様子だったのでわくわくして臨みました。


yama upセットリストは以下。
  1. オレンジ
  2. トンネル
  3. 新曲1
  4. 再生(MC)
  5. 2nd single
  6. FUN
  7. the time has come
  8. yellow
  9. 新曲2(MC)
  10. 泳ぐ声(MC)
  11. This world is yours


先日見たライブでもやっていた新曲2曲(サビに掛け合いが入る曲、3コードのアッパーな曲)以外は旧曲を現在の解釈で披露したりしてました。


sakaikun to carrieまず1曲目「オレンジ」は久しぶりに聴いた気がしました。
メジャーデビューを迎えた4~5月前後のライブのオープニングとして毎回演奏されていた印象があります。
特に大きな変化はありませんでした。

2曲目の「トンネル」もメジャーデビュー後のベースがスタッカート気味で演奏されるバージョンで「オレンジ」同様のメジャー仕様でした。


nitta3曲目が今後の作品に収録されるであろう新曲でした。イントロのコーラスがかかった新田君のメロディーギターと、その後?のトリッキーなギターの絡み合いがユニークな曲になってますが、サビ部分のボーカルの掛け合いがとてもガーリー(死語かしら、ガーリー・・・)な雰囲気でキュートです。
ここのコーラスはドラムのきゃりーが頑張ってます。


yama center two guitarist4曲目「再生」は比較的最近またやり始めた曲みたいで、プリングミンの中でもシューゲイザー寄りの音作りの曲なので、シューゲイザーファンを巻き取るのに結構効果的な名曲ではないかなーと毎回思いました。
この曲のコード展開が単純ながら押し寄せる音のホールに吸い込まれるかのような感覚は毎回聴いてもジーンとします。名曲ですね。


carrie MCその後MCをはさみ、5曲目に披露されたのがタイトルは1回しか言わなかったのであまりその時には覚えてなかったのですが(「make my day」)2nd Singleとして11月26日に発売される予定の曲とのことでした。
ツインギターによる絡み合いが効果的に生きたプリングミンらしいポップソングになっているなと言った印象の曲でしたが、案の定1回目のリスニングなのでどんなだったか、聴いてからちょっと経ってしまったら忘れてしまいました(笑)。ただ、とてもポップで良い曲がまたできたのだな、ということは感じたので正式なリリース情報が待ち遠しい次第です。


yama nitta chilichili6曲目は「FUN」で、彼女らのデビュー作「yes,we are.」の2曲目に収録されているリード曲ではあるんですが、全然別の曲みたいなアレンジになっており、最初当該曲だと思いませんでした。テンポは非常にゆっくりで、明るく弾ける印象だった曲がちょっとしたバラード的な雰囲気で、前者が春~夏に駆け抜ける様子だとしたら、新アレンジは秋の落ち葉の中を散歩と言ったくらいの違いがありました。
インディーズ時代の1枚目のアルバム「ミズノイズ」に収録されているスロー~ミドルテンポの曲のアレンジ手法を用いて、コード進行もちょっと変えて歌詞だけ「FUN」を流用し、メロディもそれにあわせてちょっとしっとりさせた感じでした。


chilichili7曲目「the time has come」は非常に速いテンポになっており、4つ打ちバスドラムが自然と見てる側を躍らせるようなアッパーなしあがりになってました。この曲のリズムはダンスナンバー的な4つ打ちなんですが、歌詞が内省的な感じがするのであんまりアッパーでなくても個人的には良いかなと思ってます。でもこの曲はほんと不思議で、どうやってもあんまり魅力が崩れない印象です。


8曲目「yellow」は自分がプリングミンを見始めてから初めて聴きました。(インディーズ1st「ミズノイズ」収録)
この曲のアッパーなノリは「FUN」に流用された印象があるのですが、おっとりした「FUN」の後に持ってくるあたりがにくいですね。若干の違いはあれど、ほとんど音源「ミズノイズ」で聴かれるアレンジと変化はありませんでした。


carrie chorus9曲目に「新曲2」をやりました。タイトルは不明ですがラモーンズばりの3コード・パンクナンバーで全員(ベーシストひろやすくん以外)でコーラスを取るサビがにぎやかな曲です。この曲でのプリングミンのパンク性っていうのが垣間見れるのが良いですね。シューゲイザーっぽいとかってよく形容されるのを見かけますが、パンク的側面も保持しつつ新たなる世界観をどんどん見せて行って欲しいところですね。


nice e10曲目「泳ぐ声」、MCを挟んで11曲目「This world is yours」にてライブは終わりました。


chilichili solobass「泳ぐ声」は以前やや速めの曲に作り直されたことがあったのですが「yes,we are.」アレンジが戻ってきた感じです。リーダー酒井くんのカッティングが挟まるイントロは軽く流用されているようですが、このオリジナルアレンジはやっぱり良いですね。


sakai guitar今回の変化は「新田君の髪が伸びた」「酒井君の白いギター、Stratocasterにヨシムラとダンロップのステッカーが貼られた」「ドラムきゃりーの髪が短くなった」「山ちゃんのヘアスタイルが前回自分が見たライブ時から変わった」と言った点でした。


sakaiどれもここ最近起こったことではないと思うのですが、本州を右往左往ライブやっているグループの1ヶ月の間の変化はめまぐるしいなと感じました。(やまちゃんのヘアスタイルは以前「This world is yours」発売後の全国キャンペーン中の公開ラジオ放送@六本木ミッドタウンの時に見に行ったのですが、このヘアスタイルでした。)


carrieこの日、きゃりーが具合が悪く、熱っぽいけど体温を測って「がーん!」となると演奏に支障を来たすとのことで体温を測らずにリポビタンチャージしてきたとのことをMCで言ってました。
終わってから物販のところにいましたが芳しくない顔してました。(ライブって穴空けられないからつらいですね)


yama nitta chilichiliいつも見てる弦楽器隊の足元についてですが、新田君のエフェクトボードに先日彼のblogにて購入した旨書かれていたT-REX製のMud Honeyが「よく変わるポジション」の部分に当てはまってました。歪みペダルがよく変わる位置が彼のボード内にあるのですが、そこです。
Mud Honeyは目いっぱい歪ませるとブチブチと切れるようなえげつないFuzzサウンドになるそうで、そこそこで使うと程よいとのことで購入したとのことを言ってました。







お次がPBLことPaper Bag Lunch boxです。

以前からプリングミンメンバー自身が「PBLは良い」と口にしているのをどこぞかで見聞きしていたことから気になっていたので、2マンってことでこちらも期待して見てました。


年齢で言うとプリングミンよりちょうど1歳くらい上の年齢で、昨年上京したプリングミンよりも事務所の在籍期間も・・・長い・・・?のかな?
よくわかりませんが、大手事務所ではなく小さな事務所に所属している両者だけに、両者の関係もなかなか密接なようです。

見た感じからするとひょろっとした男性が3名で、ボーカル&ギターの中野さんは山崎まさよしとか志村けんとかと同じ系統の顔で(?)、他の3人は下北沢でふらふら歩いてそうな感じのいいかんじのお兄さん&お姉さんみたいな雰囲気です(全然伝わらないので彼らのProfileのページでも見てみてください。)

このバンドを見て面白いなと思った点は、ギター2本で絡み合うバンドは多々あれどギターとキーボードが絡み合うっていうケースが少なく、それをうまいこと使ったバンドである点でした。
通常であればキーボードはキーボードらしい音色に徹してたりでピアノ、及びオルガンの音色でもってバッキングしたり、ギターとは違った役割を担うと思うのですが、もう1本のギターと言った位置づけと似たサウンドでした。(これも聴いてもらわないと説明が伝わらない気がする)
ギターでエフェクトを多用したプレイのようでノイズを効果的に使った音、ギターとは違ったアルペジオで独特の倍音できらきら感を奏でたり、聴いたことないけど耳なじみが良いものでした。


楽曲的にはボーカルの声が高いことと、ちょっとふわふわした音作りなこともあってフィッシュマンズ好きな人にもウケそうな感じでした。プリングミンのドラムのきゃりーはフィッシュマンズみたいな感じは好きみたいなので、強く惹かれるのはそこか、なんて思ったりもしたのでした。

ドラムが女性なのですが、サウンドはなかなか力強かったでした。


これ以前のPBL企画ではsleepy.abを招いて第一回目「メロウ・ゴーラウンド」を行ったそうですが、その際はチケットが売り切れたとのことでしたが、今回は売り切れなかったとのことです。
色々と、なかなか難しいものですね・・・。


個人的に1点ダメだしをえらそうにしておくと、ドラムの伊藤さんがだいたいのMCを担当していたのですが、口調の影響もありますが、少々だらだら話しすぎかと思いました。
これはもう好き好きな範囲なのであまり否定する点ではありませんが、自分みたいな初めて見るファンにはあまり良い印象はありません。
話す内容を練習しておいた、なんていうバンドの話も聴きまして、そこまでしなくても良いのではーとは思うんですが、やっぱりある程度話すことは用意しておいた方が良いですね。
あとだらだら話さない。よっぽど面白かったり、独特だったりしたらそれはそれでキープしていただきたいとは思うのですが(tobaccojuiceのvocalの彼はふわふわしたMCが独特なのであれはあれで良いと思う)、ちょっとそういうのとは違う、悪い意味でだらっとした印象を受けました。
MCと言えば昨年末、カウントダウンジャパンにて出演したthe brilliant greenを見た時のこと。VocalのトミーのMCがあまりにだらしなくて幻滅した記憶が蘇ります。元々そういうキャラクターが受け入れられてきた人なのかもしれないけども、正直な話ちょっとだらけすぎだと思いました。

MCってでも難しいですね。
あんまり商業的でもどうかと思うし、逆に何も言わないのもどうかと思うし。
言わないっていうのが成り立ってるとか、そういうスタンスなのであればそれはそれで良いんですけど、中途半端は良くないですね。


MCの問題は別として、ライブ自体はとてもよかったです。
楽曲もCD(アルバム)を購入して後に聴いたのですが、ボーカルの高音が耳につくこともなく、ふわふわとした優しさがたっぷりな感じで、たまにシューゲイザーみたいなノイジーな音の波がどわっと来ることもあれば、ベースラインだけでシンプルにタイトな演奏を見せたり、どこかにありそうっていう感じではないけど耳なじみが良いポップソングに上がってるところがとてもよいです。





以上、プリングミン、PBLの2マンライブでした。

2008/09/26

TRAPPER第11回本公演「ヂュワッチ!!!」


女性のみで構成される劇団のTRAPPERによるTRAPPER第11回本公演「ヂュワッチ!!!」が東池袋アートスペースサンライズホールにて行われたので見てきました。

過去見に行ったTRAPPER関連の劇、イベントについては観劇カテゴリをご参照ください。




今回の劇は第20回池袋演劇祭への出展作品として登録されたものだそうで、席中に「審査員席」みたいのが設けられている様子でした。

豊島区周辺?の大小問わず劇場にて行われている演劇を審査員が回って審査しているとか、そんなものだったみたいですが、よくわからなかったので特にそういう面は調べませんでした。(気になる人はリンク先なり自分で見てみてくださいませー)




普段は土日に当てられる楽日に見に行くことが多かったTRAPPERの公演ですが、この時は2日目の夜の公演に行きました。

もうざっくりとしか言えないんですが、感じたのは以下。

  • メンバーが産休、所属事務所が変わったなどの諸々の事情により前回に比べて4名(出演者単位で数えると5名)減った。
  • それによる顔ぶれ、キャラクターのバラエティさに欠けた。
  • 出演者減の補足?として、演出・作家としてTRAPPERを率いる高梨さんが出演してた。
  • 小屋が埃っぽく、ばたばたする演出時に埃が舞ってノドに来た。
  • 今回の劇は賛否両論あったとの情報を後に小耳に挟みました。


演劇は動的な「芸術作品」なので演じるたびに内容、表現が変わるゆえにそれが面白いところだとも思うし、見る人が面白かったか、面白くなかったかを評価したら良いと思うので、あくまで個人blogなので同感じたかを書くと、今回は正直な話やはり色々なダメージによる欠点が劇の内容や構成に影響を与えている気がしました。

なので前回前々回に比べると個人満足度はやや低いです。

今回劇に出られなかった役者さんのキャラクターが濃く、物語の中でもスパイシーな役どころを務めていた人が居ないっていうのはかなり大きかったのではないかと思います。それをフォローすべきではあったと思いますが、個々の持ち合わせたキャラクターを生かした配役が今まで行われていた気がするゆえ、なかなか穴埋めっていう方向性では収まらなかったのかもしれませんね。

役者個々の思うところ、問題なんかもあるかもしれないし、客側からあまり見えるものではないのですが、より楽しい作品が提供できるよう今後もよりいっそう頑張っていただきたいところであります。

2008/09/22

John Foxx @ 高田馬場AREA

John Foxx at TAKADANOBABA AREA
Ultravox!の初期リーダーであり、Ultravox脱退後に独自のエレポップ路線を開花させ80年代初頭に人気を博したJohn Foxxの25年振りの来日公演があったので行って来ました。

場所はビジュアル系バンドの登竜門と言われる高田馬場AREAでした。

ちなみにすぐ隣にラーメン二郎 高田馬場店があります(笑)。
高田馬場店について書いた記事は以下をご覧ください。
セットリストについては他の方の記事国内Ultravoxファンサイトの老舗、Ultravox Station内のライブレポリンクから辿られると良いかと思いますので、個人的に思ったことだけ書いていこうと思います。




先日、チケットが発売された旨の記事を書きましたが、その日を待つこと3ヶ月、いよいよ「テクノポップの神」が来日したのでした。

2008/09/21(SUN)、2008/09/22(MON)の2daysでしたが、このまたとない機会を逃すことはできなかったので2日ともチケットを押さえていきました。整理番号も招聘したVinyl Japanの店頭にて購入したため1日目30番台、2日目20番台となかなか早い番号でチケットが取れました。





目の前で神を拝むぞ、くらいな意気込みで行ったんですが、1日目は荷物にJohn FoxxのCDを入れたくせにチケットを自宅に忘れて高田馬場AREA前まで行ってしまいました。

これはもうほんとありえない大失態で、血の気が本気で引きました(笑)。

自宅まで往復すると1時間超かかる為、取りに帰るなんてありなかったので「明日も来るので明日そのチケットを必ず持ってくるから明日半券をもいでくれ」とありえない交渉をしてみたんですが(笑)、やっぱり無理でした・・・。

当日券を買ってくれくらいに言われたのですが、6700円したチケットを無駄にするにはもったいないし、そこで7200円払えるほど裕福でもなかったので迷ってる暇はない!ってことで自宅に電話、なんとか家族に良いところまで持ってきてもらいました。(家族にはビールをおごってあげました)

早い番号だったものの結局会場に入ったのは18:50頃、大勢のお客さんで結構いっぱいになってました。

前述の通り、ここは普段ビジュアル系バンドのライブが多いハコなので、ロビーなどにはビジュアル系バンドのサイン入りポスターなんかが多数貼られています。(中には雅-miyavi-が所属していたバンドDue'le quartzのポスターなんかもありました)

ちなみにビールはモルツでした。

会場内はなかなか広く、老舗ライブハウスの新宿LOFTはライブハウスとしては結構広い方ですけど、それよりも横幅があってたっぷりとした広さでした。小耳に挟んだ話によると、昔小さな映画館だったそうで、そのために客席側にも段差があって、ステージもやや高めに作られているだとか。

前には行けそうでしたが、見晴らしを考慮して中央最高峰のミキサーが置いてあるブース手前でライブを見ることにしました。


思ったことですが、やはりビジュアル系バンドが数多く出演するハコだけあって、照明が小さな他のライブハウスと比較しても格段に凝っていて、多彩な演出が可能な点がこのハコの特筆すべき点かなと思いました。
近年ではLEDを使った照明がLinky Dink Studio系列の新宿nine spicesなどで見られまして、そういう最新鋭の機材ってわけではなかったんですけど、色の数、光の当て方が凝れるところみたいでした。

あとサウンドについてですが、天井がやや高い&横幅がなかなかあることもあってふくよかな低音と言った印象の音でした。(タイトな感じではなかったです)
全体の出音のバランスもなかなか悪くなく、印象はまずまずです。


1日目に感じたことですが、やっぱりお客さんが80年前後を高校生~大学生として迎えていた世代、40歳前後の方が多かったですね。


John Foxx自身も今年で61歳(1947年生まれ)と、日本で言うと加藤和彦細野晴臣と同じ年齢ってことで、もうおじいちゃんに差し掛かってます。

が!

(加藤和彦氏もそうなんですけど)John Foxxは背もするっと高く、姿勢も良いし、中年太りもしておらず、肌もつやつやで血色が良く、良い具合に歳を経た印象でかっこよかったです。
表情も常に穏やかで、パフォーマンス中のアクションなんかもUltravox!時代と大差なく、フロントマンとしての十分なカリスマ性が全然衰えていない印象ですっかり魅了されました。(ほんと最高でした!)

厳密に言えば第一線で活躍し続けた人に比べて「ブランク」的なものがあったと思います。
知る限りではアンビエント寄りの作品、Cathedral Oceans, Vol. 1-2Cathedral Ocean IIIBrian Enoとのアンビエント作品リリースでも知られるHarold Buddとのコラボレーション作品などはあったものの、以前のような彼の歌声とテクノビート/ニューウェーブ期らしいサウンドの音の作品は影を広めている傾向にあったと思います。


Louis Gordon on stage at TAKADANOBABA AREAですが、ここ5年くらいの様子を見ると、今回パートナーとして共に来日したLouis Gordonとの出会いにより、往年のテクノ調のサウンドにボーカリストJohn Foxxとしての歌がある純度の高いテクノポップ/エレポップが繰り広げられ、ライブ活動も活発になったみたいでした。(DOLL No.254のJohn FoxxインタビューによるとLouis自体がJohn Foxxの熱烈なファンで、なおかつ非常に有能で仕事の早いミュージシャンとのことですぐに作品を仕上げてくれるとのことでした)

特に活動を休止していた、と言うわけではないと思うのですが、大手レコード会社と契約をしていないと事実上の活動休止/潜伏期間みたいに見られてしまうのは仕方ないところですが、近年のリリースの多さ、ライブ活動の盛んさから「現役アーティスト」として着実なパフォーマンスをされてました。


往年の名曲「Underpass」「Burning Car」「No One Driving」「The Garden」「Endlessly」だけに留まらず、Ultravox!期の「My Sex」「The Man who dies everyday」を始め、海外でもあまり披露されていないらしい「Young Savage」なんかも2人編成エレクトロサウンドアレンジでやってました。

ライブ後に同志たち(笑)と呑みながら一様に興奮冷めやまぬ中の話を聞いたところでは「Young Savageはやるとは思わなかった!」と皆驚いている様子でした。
ちなみに自分はイントロの時点で「なんか聴いたことある!」とは思ったのですが、圧迫感と緊張感のあるギターによるイントロの印象が強すぎてすぐにそれだと気付きませんでした。

そのほか出来立てほやほやの「Walk This Way」(John Foxxのオリジナルで誰かの同名曲のカバーではないです)を1曲目に披露したり、Louis Gordonとであった以降のKRAFTWERKに音使いが似ている(笑)エレクトロポップな曲「Downtown/Uptown」なども披露してました。


Louis Gordonのパフォーマンスについても一応触れておきたいのですが、ややでかい(中年太り?)もしゃもしゃのパーマを振り乱して鍵盤を操ったり、コーラスをやったりと忙しそう&激しいものでした。
アクションも大きく、パフォーマーとしての血がJohn Foxxとのステージで舞い上がっている印象で、とにかく大暴れです。John Foxxのライブを世界でもっとも楽しんでいるのは今現在パートナーとして隣で音を操るLouisに間違いないと思います。

Louisのコーラスマイクにはエフェクトがかかっておらず、エコー、リバーブの類がないすっきり仕様で、John Foxxのマイクはと言えばヴォコーダー、ディレイ(エコー)なんかがかかりまくった仕様なので、Louisの声は(高くて抜ける、声量があるせいもあると思いますが)結構浮き出てました。

なので、たまに「大声で歌ってるやついるなー、テンション高いなー」って思ってよくよく聴くとLouisのコーラスだった、っていうシーンが幾度もありました(笑)。(悪く言えば特徴がないですね。でも決して悪くはないですよ)


ちなみに1日目、佐野史郎さんに、自身監修のオムニバスにJohn Foxxの曲を入れた掟ポルシェ氏も来てました。

佐野史郎さんのblogにはその旨も登場してますね。

2日目のことも個別に書こうかと当初思ってたのですが、セットリストが2日目も1日目と同じだったことと、やはり旅疲れ&ホームではない土地での生活ゆえか少し疲れが見えたっていうくらいしかないのでこの程度にしておきたいと思います。

ちなみに2日目、最前列で見れたんですが、終わってからも最前列で機材を見ていたら掟さんも機材を見に来たので少し話しました。その後トイレでも会ったのでMagazineが再結成するっていう話題を振ったのですが、Magazineにはあまり興味がなさそうでした。(Magazine改めて聴いてみてくださいよと言ってみたんですが、「シンセポップ以外ならデスメタルの方が好きだ」と、彼らしい発言をしてました。わからないでもないです(笑)。)



素晴らしい公演でしたが、公演以外で難点もあったんですが、特に文字で書き起こすことではないと思うので心の隅に止めておきたいと思います。

そんなわけで、まさか日本でJohn Foxxが見れる日が来るなんて思っても見なかったので夢みたいな2日間でしたが、最高のライブが堪能でき、余韻でも微笑めるくらいの公演でした。
またぜひ来日していただきたい所存です!


招聘してくださったヴィニールジャパンさん、素敵な機会をありがとうございました。

2008/09/20

蔵ロックフェスティバル@成田 Part.8 グーミ&finale

スマイリーギター青年前回の続きです。

サッポロビールみたいなTシャツの彼inハンモックライブもいよいよ終了に近付き、みんなの疲れも案外上り詰めてきた中、ハンモックでゆらゆらしたりするのは心地よいですね。


ひかりがやみにとける立ち話もぐだぐだになってきました。(なってたのか?)





グーミ1 全景最後がグーミmyspaceでした。

メンバーが揃わなかったので最後になったみたいでしたが、この日はどのバンドが最後にやってもトリが務まるような好顔ぶれでした。

ベースの藤井さんが夕方にINってことでライブが始まりました。


メンバー構成は3人、ギター&ボーカル&ヴァイオリンの小畑さん、ベースの藤井さん、ドラムの飛田さん。小畑さんのみ男性で女性率の高い3ピースです(3ピースなのに女性率が高いもなにもないけど。デロッピードロッピーaudioleafも男性1人女性2人の3ピースだしね)


おばたさんヴァイオリン若干逆行がかっこいい絵音だしの時点でヴァイオリンが鳴ってるなーと思いちょっと珍しい目で見てたんですが、デジタルディレイのホールド機能?か何かで軽く録音された1人ヴァイオリンアンサンブルが鳴り続ける中、被せるように演奏が始まりました。

ヴァイオリンを使うバンドが少ないこともありますが、長時間のライブ鑑賞&遊びによって疲れ気味だったところにすごく雰囲気の良い曲がなったこともあり、なんだか良い具合にとろけた空気が蔵の中に流れていた気がしました。

最後に説明が来たこともあってこういう言い方になってしまいますが、このバンドも「音使い」が独特かつうまかったので他のバンドとそんなに大きく魅力が被らずにオリジナリティがあって良かったですね。


ギターに持ち替えたグーミ全景2そのままヴァイオリン&ボーカルで1曲目、そのほかの曲ではギター(Mustang?)に持ち替えてやってました。


ロックンロールでグーミ全景3あと3人でコーラスを務めたりとバンドとしての絡み合い具合もとても良く、1度見ただけ(しかも短時間だったわけですが)でも印象に残る「良いバンドの雰囲気」がありました。

(悪い意味ではなくて、ただ印象として)「遅れて来た人」ベース藤井さんのジャズベースの音も最後だったこともあり、漠然とはしてますがかっこよかったのでその後のBBQの最中に賞賛しておきました。(馴れ馴れしくてすいませんでした)。余談ですがミントカラーのピックガードに青いベースが個人的に素敵でした。


先述のサーティーンmyspace,audioleaf,new webのみほこさんが撮影、編集した映像がYouTubeにあったので貼っておきます。






そして長い長いライブ時間も終わり、いよいよ夜も更けてまいりました。

当たりはもう真っ暗、これからどうなるんだろう・・・ぼちぼち腹減ったなぁとか思っていた頃、デロッピードロッピー父さん(何)が屋外の軽くレンガを積んだところに火を点し始めました。松田家がほか炭焼きグリルみたいのに網を敷き、木炭を盛り、BBQが始まりました。

どういう風な流れかとか聞いてなかったのですが、みんなしてBBQかー!と疲れも吹っ飛びました。

名前と顔も良くわからない人たちと和気藹々と肉やら野菜やら焼いて食べるのは緊張もあるけど面白かったですね。みんなの目的が「焼けた肉を口に入れる」っていうことに集中してるからここばっかりは音楽性とか日常の背景、おかれた立場とか抜きで方向性が一致してるわけです。


これがきっと音楽で言うバンドマジック、食の「BBQマジック」なのかもしれませんね。


ちなみに補足ですが、バンドマジックっていうのはよく自分が唱えている言葉で(笑)、1人では鳴らせられない指10本以上使われた音楽、そして1人以上で奏でられるちょっとのずれと合わさる奇跡がバンドの楽しさを生んでいるのだ!っていう言葉です。これを体言したいので自分もバンドやりたいと思うわけです。よくプロとかアマとかこだわる人もいるけど、まずそれが出来てこそ自分も、他人も楽しい「音楽」が成り立つものだと思ってます。


火を操る某カリスマローディー氏この日は一応Emotional Ticonの一部のメンバー(1人は八王子で成田まで遠すぎるのであえて声かけませんでした)で言ったんですが、我々としては演奏をしなかったのでせめてもの!ってわけではないのですが、焼きそばを調理するのに力を尽くしました(笑)。水分がなくてDAKARAを誰かが注いだりとかなりカオスになってましたが、焦げ付いたりもしましたが(木炭のBBQは火力調整ができないからノンストップですね)結構こんがりと焼けておいしかったです。

あと、網で焼けた肉をうまく焼けなかった鉄板側に持って行ったら誰かに「この人は良い人だ!」との言葉を頂きました(笑)。この日一番嬉しかったです(笑)。


おもむろに花火を始める千原氏と耕太郎氏最後にデロッピー耕太郎くんが花火をおもむろに持ってきて一人でファイヤーしだしたので、追って自分も箸を投げ出してファイヤーしました。


デロッ火ードロッ火ー feat.つがねくんライブ見た→酒飲んだ→肉焼く→そば焼く→うまい→ファイヤー と、演奏する楽しみはなかったですがそれ以外は全力で楽しみましたね。それにしても疲れた(笑)。


そうごくんととびたさん地上に置く噴出し花火の上をまたいだサーティーン神宮さんが「Tシャツ溶けた(焼けた)」とか言ったりしてました。対抗して自分は花火に火つけて走り回ったり円描いたりしました。


太平洋不知「花」火楽団feat.とびたさんとひかりちゃんそのバックでずっとアコギとヴァイオリンで蔵の前、ハンモックのところでセッションしているグーミの小畑さんともう一人失念してしまいましたが、そんな絵もありました。(写真撮ってなかったので花火の絵で勘弁してください)


BBQが落ち着いてきた室内、まったりムードになりつつもそろそろ帰らねばと電車を気にする組もちらほら現れてフィナーレムードが増してきました。

名前は聞かなかったけど、ベジタリアンで猫好きの人が居ました。
猫に好かれそうな雰囲気の人でした。


バーテンダー耕太郎が操るのはヨーグルトリキュールあとこれまたおもむろにお酒を調合する耕太郎君が居ました。
ヨーグルトリキュールに、カシスに、牛乳注いだりして飲んでました。カシスミルクヨーグリキュール・・・?




ここらへんで帰り支度ってことで自分は退却しました。
帰り道、運転手を務めてくださった松田母様の気孔の話が面白かったです。
(気孔で2人くらい癒してました(笑)。その話について「誰でも学習すればできるのよ」とのことでした。知られざる気孔ワールド、まじすごい。)

あと、たぬきた飛び出してきて車に轢かれそうになり車急停車なんつうシーンもあったりと最後まで気が抜けない蔵ロックフェスティバルでありました。


帰り道は電車に揺られて帰りましたとさ。





さて、全部書き終えての感想ですが、やはり面白かったですね。

その日からもう2週間くらい経ちつつあり、更新も滞ったりしてましたが、言葉に置き換えながら反芻したりしつつでまだ「面白かったなー」っていうのはもう、「楽しかった夏の思い出」大賞ですね。

非常にローカルかつ狭い範囲の人しか集まっていないものなので、世間一般のフェスとは趣向が異なりますけど、デロッピードロッピー(松田家)っていう点ありきの催しだったことについて、松田家、そして音楽で繋がりあう色んなバンドの人、バンドやってないけど音楽が好きでそれらを見てる人の集いに感謝ですね。ありがとうございました。

この日見たバンド、ところどころ書きましたが「色々見すぎて何がなんがか曖昧」ってこともあるので、改めてライブハウスへ見に行きたいと思っているこのごろです。